研究会抄録
第8回カテコールアミンと循環器系研究会
平本 哲也
1
,
串田 宏
1
,
遠藤 政夫
1
1山形大医学部薬理学教室
pp.459-464
発行日 1987年4月15日
Published Date 1987/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205050
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1.心筋収縮性制御に関与する心筋α受容体の薬理学的性状
心筋α受容体の薬理学的性状を検討する目的で以下の実験を行った。①ウサギ摘出右心室乳頭筋におけるphenylephrine(PE)のα受容体を介する陽性変力作用に対する各種薬物のpD2値およびpA2値を機能変化の指標とした。また,②ウサギ心室筋細胞膜破砕標品に対する〔3H〕-prazosinの特異的結合をα受容体結合の指標として,各種薬物のKiを求めた。α-agonistsとしてPE,naphazoline,oxymetazoline,clonidineを,またα-antagonistsとしてprazosin,YM-12617を使用した。
KiとpA2およびpD2の間にはr=0.87で正の相関がみられたが,相関直線の傾きは1にはならず,受容体結合よりも機能的変化で求めた親和性の方が高い傾向が入られた。naphazolineは心筋α受容体に対し,partial agonistまたoxymetazolineはantagonistとして作用した。これらの結果は,心筋α受容体の機能変化へのcoupling機構は血管のそれとは異なることを示唆している。
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