研究会抄録
第7回カテコールアミンと循環器系研究会
加藤 久仁彦
1
,
野村 憲和
1
,
下野 恒
1
,
武智 茂
1
,
安田 寿一
1
1北海道大医学部循環器内科
pp.451-457
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204860
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1.心肥大ラットにおける心筋及び諸臓器のカテコールアミン含有量の検討
目的:心肥大ラットにおいて心筋および交感神経支配を受けている他の臓器のカテコラミン含有量を比較する。方法:10週齢のWistar系ラットの上行大動脈を狭窄し,4週後に臓器を摘出。左室肥大(H)群およびSham(S)群とを比較した。結果:Hの左室重量/体重(mg/g)は2.23±0.15(平均値±標準偏差)であり,Sの1.57±0.15より有意に増加した。左室ノルエピネフリン含有量(NEc)/左室湿重量(ng/g)はS420±93,H177±45とHで有意に低下した。右室のそれもHで有意に低下(490±87vs333±56ng/g)したが,他の副腎(75.0±21.4vs62.4±17.2μg/g),腎(174±47vs155土37ng/g),脾(369±137vs317±82ng/g),肝(51.2±17.6vs49.1±13.5ng/g),精索(8.00±1.97vs7.73±2.32μg/g)(S vs H)では両群に差がなく,血中濃度(677±160vs994±490pg/ml)(同)も有意差を認めなかった。結語:従来より心肥大時に交感神経活性の上昇が指摘されているが,それは心筋にのみ特異的であり,心臓以外の臓器ではNE含有量は不変であった。
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