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特集 カテコールアミン
ヒトにおけるβ受容体賦活作用とサイクリックAMPの機能に関する検討
Beta agonist action and function of cyclic AMP in human
豊岡 照彦
1
,
細田 瑳一
2
Teruhiko Toyo-oka
1
,
Saichi Hosoda
2
1東京大学医学部第2内科
2自治医科大学循環器内科
1The Second Department of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
2Department of Cardiology, Jichi Medical school
pp.1159-1163
発行日 1986年11月15日
Published Date 1986/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204954
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β賦活薬も含めカテコーラミンの作用がAhlquistによりαとβ作用に細分化され1),さらにβ作用は主に心に作用するβ1作用と大血管,気管支平滑筋や肝細胞に作用するβ2効果とに区別されてきた2)。これらの区分は,あくまでヒト以外の動物を用い比較的選択性の強い遮断薬による薬理学的な分類であり,それぞれの受容体を分離して生化学的に検討を行う作業は現在やっとその端緒に着いたばかりである。
次にSutherlandらによりβ賦活薬の作用を心筋細胞内に伝達する耐熱性の二次的情報伝達物質(second mes—senger)の存在が報告され3)それがサイクリックAMP(C)であることを証明し4),1971年のノーベル医学生理学賞に輝いたことは周知の通りである。細胞表面の受容体と組織内でATPからCの形成を行う酵素,adenylcyclaseの連関は近年生化学的に多くの知見がえられ両者の間にグアニンヌクレオチドを結合するN蛋白が存在し,さらにNはadenyl cyclaseの活性を促進させるNsと抑制させるNiとに分類された。これを簡単に図1にまとめる。
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