Japanese
English
Bedside Teaching
胸郭外陰圧式人工呼吸—その生理と臨床応用
Extra thoracic negative pressure ventilation
奥津 芳人
1
,
磨田 裕
1
,
沼田 克雄
1
Yoshito Okutsu
1
,
Hiroshi Usuda
1
,
Katsuo Numata
1
1横浜市立大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, School of Medicine, Yokohama City University
pp.407-411
発行日 1986年4月15日
Published Date 1986/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204853
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近年の人工呼吸治療の進歩がどれほど多くの人命を救出し得たかについては測り知れないものがあり,われわれは日夜その恩恵を受けながら患者の治療にあたっている。特にここ数年間の人工呼吸生理の研究,エレクトロニクスを駆使した人工呼吸器の開発の進歩は人工呼吸治療がほぼ完成の域に達したのではないかとの感さえ抱かせる。たしかに急性かつ短期間の治療で治癒する呼吸不全—術後の無気肺,肺水腫,喘息の重積発作,肺炎,等々—ではこのようなことが言えるかも知れない。しかし人工呼吸治療の対象が拡大され慢性の呼吸不全--器質的低肺機能患者,重症筋無力症に代表される神経筋疾患,等--や軽度の呼吸障害にまで及ぶにつれて新たな問題が生じてきた。すなわちこれらの患者は意識がはっきりしているため,気管内チューブの留置に伴う会話や経口摂取の制限,患者の行動制限などがもたらす精神的,肉体的問題である。
これらの問題を伴わずに人工呼吸ができたら対象患者もずっと拡大し,現在治療の対象からはずされていた多くの患者に福音をもたらすのではないかと考え,胸郭外陰圧式人工呼吸の研究を行ってきた。
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