Japanese
English
Bedside Teaching
縦隔気腫—呼吸管理の合併症としての
Pneumomediastinum:A complication during mechanical ventilation
佐伯 晋成
1
,
森田 潔
1
,
小坂 二度見
1
Shinsei Saeki
1
,
Kiyoshi Morita
1
,
Futami Kosaka
1
1岡山大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, Okayama University, School of Medicine
pp.137-141
発行日 1986年2月15日
Published Date 1986/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204816
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1950年代前半,欧米におけるポリオの流行が契機となって,呼吸不全の治療として,気管内挿管による陽圧呼吸が普及してきたが,それとともに,肺の圧外傷や,循環障害といった陽圧呼吸の合併症も,数多く報告されるようになった。人工呼吸の合併症として発生する圧外傷は,決して稀なものではなく,全人工呼吸例の10〜20%,小児の場合は30%にもおよぶとされている1)。しかし,その大部分は気胸だといわれており,縦隔気腫が,陽圧呼吸の合併症として発生するのは稀なことだと思われる。また.縦隔気腫の原因のなかには,気管切開部より空気が縦隔へ進入したり,縦隔内臓器の損傷が人工呼吸中に起こった場合もあり,この場合.外科治療の適応となることもあり,治療を考える上で,その原因を鑑別することは大切だと思われる。
次に,我々の経験した縦隔気腫の症例を呈示する。
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