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特集 循環をめぐる論争
深部静脈血栓に手術は必要か
Can the results of treatment of deep venous thrombosis be improved by surgical thrombectomy?
古川 欽一
1
Kin-ichi Furukawa
1
1東京医科大学外科
1The 2nd Department of Surgery, Tokyo Medical College
pp.273-277
発行日 1985年3月15日
Published Date 1985/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204613
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深部静脈血栓症(以下DVT)に対する治療法としては,薬物による抗凝固,線溶療法と,外科的療法としての血栓摘除療法とがあるが,いずれを選択すべきかについては未だ議論の残された分野と云えよう。DVTは,合併症として肺塞栓症や血栓後遺症という比較的治療の困難な病態に移行することがあるので,初期の治療には細心の注意が肝要である。とくに,肺塞栓症は本邦では発生頻度が比較的ないが,欧米では肺塞栓症の発生頻度は8〜10%1)と考えられることから,DVTの治療については各自の施設で信念を持った治療方針に基づき対処せねばならない。
本疾患は本邦においては殆んど外科医により取り扱われているため,Fogartyのカテーテルの出現以来血栓摘除術が治療の主流を占めたかの感があったが,漸く最近になって血栓摘除の効果に疑問視する意見が現われてきた。
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