Japanese
English
綜説
狭心痛のメカニズム
Mechanism of anginal pain
横田 敏勝
1
Toshikatsu Yokota
1
1滋賀医科大学第一生理
1Department of Physiology, Medical College of Shiga
pp.341-348
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204419
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狭心症は,一過性で可逆的な心筋の虚血(ischemia)の結果生じる胸痛発作で,冠状動脈の粥状硬化症に関連して生じる冠状動脈疾患をさすことが多い。このばあいの痛みは,外部から侵害刺激(noxious stimolation)が加わったために生じる皮膚などの痛みと,その発現機序を異にしている。しかし,狭心症の痛みも,皮膚の痛みと同様,痛みの原因を検知する受容器と,それを支配する求心性末梢神経線維および,この線維によって運ばれた神経情報を処理して痛みという意識内容を生じる中枢神経構造を必要とする。皮膚の痛みと狭心症の痛みに関して,それぞれの基礎となる筋書きに本質的な相違を見出すことはできない。
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