Japanese
English
解説
再拡張性肺水腫の成因と治療
Current topics of re-expansion pulmonary edema
高村 研二
1
,
高村 光子
1
,
小林 宏行
1
Kenji Takamura
1
,
Mitsuko Takamura
1
,
Hiroyuki Kobayashi
1
1杏林大学第一内科
1The First Department of Internal Medicine, Kyorin University School of Medicine
pp.133-141
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204386
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胸水の穿刺および気胸の吸引療法中に時として肺水腫が生じることは臨床的によく知られた事実であるが,その成因にかんしてはいまだ不明確な点が少なくなく,諸家の間でもその考え方に必ずしも一致はみられていない。1800年代,胸水に対する穿刺排液が一般に施行される背景の中にあって,1853年すでにPinault1)により吸引排液後の肺水腫発生が報告されている。この現象は当初フランス学派の間に「Expectoration Albumineuse」として注目されていたが2),以後,独3),英4,5),米国6)でもかかる症例が報告され,1900年代初頭にはHart—ley4),Riesman6)らにより血管透過性亢進がその成因として重視されるに至っている。
一方,気胸再拡張時の同様な現象についても,1959年Carlsonら7)の報告をはじめ,著者らの集積で,かかる症例は諸外国で267〜13,15〜17,19〜24,26〜34,36)の,国内では4件14,18,25,35)の文献がみられている。これ以外にも本邦において学会等での報告は時としてみられ37〜41),臨床領域でときとして注目すべき問題に至っているといえよう27)。
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