Japanese
English
特集 手術と呼吸
肺手術前後のrib cage motionの変化
A study on rib cage motion before and after lung surgery
坪井 裕志
1
,
市谷 迪雄
1
,
弘野 慶次郎
1
,
加藤 幹夫
2
,
呉山 基勲
3
Hiroshi Tsuboi
1
,
Michio Ichitani
1
,
Keijiro Kohno
1
,
Mikio Kato
2
,
Motoisa Kureyama
3
1大阪赤十字病院呼吸器外科
2京都大学結核胸部疾患研究所臨床肺生理学部
3株式会社クレハ
1Department of Thoracic Surgery, Osaka Red Cross Hospital
2Chest Disease Research Institute, Kyoto Univ.
3Kureha Co., Ltd.
pp.45-52
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204371
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はじめに
1967年金野とMeadによってchest wall mechanicsについての卓越した論文1)が報告された。とりわけ,自由度(degrees of freedom)の理論は,chest wall mechan—icsの研究にきわめて重要な示唆を与えた。chest wallは,互いに独立した2つのmoving partsであるribcage(rc)系と,abdornen-diaphragm系とにわけられる。さらに,呼吸器は肺とchest wallで構成され,換気力学的見地からすると,能動的なchest wallの運動(motion)によって,受動体である肺が換気されている2)。従って,chest wall motionに変化が生じれば,肺に異常があろうとなかろうと,肺の換気にも変化が生じる筈である。この一見自明の仮説は,私の過去の実験3)でも明らかな事実であった。この考え方を基に,今回肺手術前後で,主にrib cage motion(以下Mrcと略す)を経時的に測定して,殊に肺合併症との関係を評価した。
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