特集 肝胆膵外科手術における術前・術後ドレナージ
肝切除術後ドレナージ
上村 翔
1
,
阿部 雄太
1
,
北郷 実
1
,
八木 洋
1
,
長谷川 康
1
,
北川 雄光
1
1慶應義塾大学一般・消化器外科
キーワード:
予防的ドレーン
,
胆汁漏
,
腹腔内感染
Keyword:
予防的ドレーン
,
胆汁漏
,
腹腔内感染
pp.247-251
発行日 2022年3月15日
Published Date 2022/3/15
DOI https://doi.org/10.18888/op.0000002652
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肝切除術後は,他の消化器外科手術とは異なり,腹腔内死腔の増大や肝切離面組織壊死に伴う腹腔内感染,出血,胆汁漏の合併などに伴う術後感染性合併症を起こしやすい状態である。加えて,背景肝に慢性肝障害や肝硬変が並存することが多く,術後に易出血性,易感染性,難治性胸腹水を発症しやすい。そのため従来は,これら合併症のモニタリングと合併症発症時の治療も兼ねて,術後腹腔ドレーン留置は必須と考えられてきた。ところが近年の待機的肝切除における腹腔ドレーン留置に関するランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)やメタアナリシスによると,それらの報告の多くが画一的なドレーン留置を不要としている1-10)。
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