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急性心筋虚血に伴う心室性不整脈の成因の一つとしてHarris以来,虚血心筋細胞より流出する間質カリウム濃度の上昇が注目されている1)。Harris等は冠静脈洞より採血した血液を,炎光比色法により血中Kイオン濃度の測定を行ない,間質カリウム濃度の上昇を推定したが,近年各種イオン電極法の進歩に伴い,種々イオンの体液中における,簡便で経時的濃度変化の観察が可能となった。Kイオン濃度もKイオン選択透過性にすぐれた,Valinomycinをセンサーとして用いた種々Kイオン電極が開発されるようになった2)。Hill等により改良されたKイオン電極は柔軟性をもつ塩化ビニールチューブの先端にValinomycin混合液を塗布する方法で,動きの激しい心室筋に対してもステンレススチールのフックを取りつけることにより,直接心筋への固定が容易で心拍動によるずれも少なく,電極の先端サイズも小さく,心室筋における任意の深さでのKイオン濃度変化の観察が可能である等,種々の利点を有している3)。今回我我は雑種成犬を用いて,急性心筋虚血を作成,虚血中心部,境界部,健常部の各部位における間質カリウム濃度上昇の相異ならびに,虚血中心部の心内膜側および心外膜側における間質カリウム濃度上昇の相異につき検討を行ない,興味ある結果を得たので報告する。
Harris and co-workers demonstrated that the ischemic myocardium lost K ion into the inter-stitial space after coronary ligation. They thought the rise in interstitial K ion is one of the major cause of ventricular arrhythmias. In their experiments K ion was measured in the vein draining the ischemic myocardium. The development of flexible valino-mycin K-sensitive electrodes enabled selectively and contiuous monitoring in vivo interstitial K ion concentrations. We have measured the rise in interstitial K ion after acute coronary occlusion in canine hearts.
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