Japanese
English
綜説
心電図の高周波成分
High Frequency Components in Electrocardiogram
石川 恭三
1
,
四倉 正之
1
Kyozo Ishikawa
1
,
Masayuki Yotsukura
1
1杏林大学第2内科
12nd Dept. of Int. Med., Kyorin University
pp.127-132
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204170
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通常の熱ペン式の心電計を用いて記録される心電図波形は単純な曲線として描かれており,その曲線上に細かい棘のような成分(高周波成分,High Frequency Com—ponents)をみることはまず少ない。一方,オシログラフやミンゴグラフを用いて記録した心電図上には高周波成分がしばしば認められる。熱ペン式の心電計ではせいぜい100Hzまでの周波数成分しか記録することができず,それ以上の高い周波数を有する成分は著しく減衰されるか,あるいはまったく記録されない。しかし,オシログラフやミンゴグラフの周波数特性は1000Hz以上あるので,心電図に含まれている大部分の高周波成分を十分に記録することができる。
この高周波成分は心電図上ではnotchやslurとして表現されており,その存在は今から40年以上前に発見されている1,2)。それ以後,今日に至るまで,notchやslurに関する多数の報告があり,その臨床的評価の大要がほぼまとまりかけてきたように思われる。そこで本稿では,高周波成分に関する歴史的展望,臨床的意義,最近の動向などについて総括しておきたいと思う。
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