Japanese
English
綜説
喫煙者の肺弾性特性低下と末梢気道閉塞,慢性肺気腫との関連
Current status of small airway disease
P.T.Macklem
1
,
諏訪 邦夫
1Department of Medicine, McGill University
pp.118-126
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204169
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I.研究の目的と対象と方法
本稿では,私は喫煙者と肺気腫との関連を,とくに肺弾性特性の低下と末梢気道の閉塞という問題に関して考察するが,これはわれわれが「禁煙外来」とでもいうべき特殊外来で治療した際の患者を対象として行った研究であって,喫煙者のグループは,喫煙者とはいっても,平均的な喫煙者ではなく,機能障害は普通の喫煙者よりもはるかに重い特殊なグループということができる。のちにも示すいろいろな機能検査の結果も,通常の喫煙者とは異なった値を示している。
禁煙外来を訪れたということから見て,その選択は,患者自身に基づくものであり,また,機能障害がきわめて重いことと,禁煙外来を訪れ,禁煙しようという意欲を持ったことから見ても,機能障害が強いことと合わせて,慢性肺疾患,肺気腫の危険性の高い患者と考えられる。対照群としては,モントリオール地域の電話会社職員の中で煙草を吸わない患者を選び,年齢と性を喫煙者群と一致させて抽出検索した。
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