特集 完全把握をめざす小児の心疾患
先天性心疾患(各論)
動脈管開存症
東 浩二
1
HIGASHI Koji
1
1千葉県こども病院循環器内科
pp.539-542
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001603
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基本病態
胎生期の動脈管は,右心室-肺動脈-動脈管-下行大動脈とつながる動脈管弓の形成を担っている。通常,出生後の動脈管は動脈血酸素分圧の上昇とプロスタグランジン(PG)E2濃度の低下により中膜平滑筋が収縮して生後48時間までに機能的にほぼ閉鎖,生後2~3週で器質的に閉鎖する。新生児期以後も閉鎖しない場合を動脈管開存(patent ductus arteriosus:PDA)という1)。構造的および生理学的な未熟性によって閉鎖が遅延する早産児PDAと正期産児のPDAでは病態,重症度,治療法が異なる。
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