特集 周産期の画像診断 第3版
新生児編 Ⅰ.超音波診断 B.心エコー
動脈管開存症
山本 裕
1
YAMAMOTO Yutaka
1
1岐阜県総合医療センター新生児内科
キーワード:
心エコー
,
動脈管
Keyword:
心エコー
,
動脈管
pp.326-329
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001870
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はじめに
胎児期,肺血管抵抗が高く動脈管が開存していることにより,上半身で使われた酸素飽和度の低い血液が動脈管を介して効率よく下半身(主に胎盤)に送られる。しかし,生後,呼吸開始に伴い肺血管抵抗が低下し肺血流が増加することで,それまで,右室に体血流の駆出を一部肩代わりしてもらっていた左室は,急激に容量負荷(前負荷)が増大する。また,血管抵抗の低い胎盤から切り離されることで体血流に対する末梢血管抵抗(後負荷)も急激に増大する。その一方で,不必要となった動脈管は,酸素分圧の上昇,胎盤由来のプロスタグランジンE(PGE)の減少と肺での分解促進,PGE受容体の減少,動脈管内の血圧低下を経て,右左短絡から左右短絡に変化しながら次第に収縮し自然閉鎖する。
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