Japanese
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綜説
R波高の臨床的意義—とくにBrody効果との関連について
Clinicai significance of R wave amplitude with special reference to "Brody" effect
石川 恭三
1
Kyozo Ishikawa
1
1杏林大学医学部第2内科
12nd Dept. of Int. Med. Kyolin University
pp.125-131
発行日 1982年2月15日
Published Date 1982/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203923
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体表で記録されるQRS波高は,心筋より発生した心起電力を純粋な形で反映してはいない。QRS波高に影響を及ぼす因子としては,心腔内血液,心筋,心膜液,心膜,肺組織,筋肉脂肪組織,皮ふ,などがある。これらの諸因子がどのようにQRS波高に影響を与えているかを知ることは,日常の心電図診断にとって重要であるばかりではなく,種々の疾患の病態生理を理解する上にも,大切なことである。過去10年間にQRS波高についての研究がいろいろな角度から行なわれてきた。その結果,この問題についての膨大な知見が報告され,多くの難問の解決への糸口が見い出された。しかし,その反面,互いに相反する成績や見解の相違も数多く報告されており,この問題についての全般的な理解の妨げになっているのも事実である。そこで本稿では、QRS波高に及ぼす諸因子のうち,とくに心腔内血液ならびに心筋自体の性状についての現時点での知見の整理を行なうとともに,私自身が行なって来た研究の一端を紹介させていただきたいと思う。
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