呼と循ゼミナール
続Diaphragm Pacer
末次 勧
1
1名古屋保健衛生大学内科
pp.1238
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203662
- 有料閲覧
- 文献概要
今回は,Diaphragm Pacerの適応など,その臨床応用面を中心として述べてみたい(表1)。
中枢性肺胞低換気は,呼吸中枢のCO2に対する反応性の低下によって起きるものである。脳炎,腫瘍梗塞などの病因がつかまる場合もあるが,全く不明のこともあり,後者は原発性肺胞低換気症候群と言われる。これらの症例においては,肺・胸郭系の器質的な病変が無いにもかかわらず,顕著な高CO2および低O2血症,すなわち肺胞低換気が認められる。しかし,呼吸困難の自覚は全くと言ってよいほど無く,CO2ガス吸入をさせても換気量の増加反応が明らかに減弱ないし欠如している。しかも,意識的に呼吸をさせると,容易に換気量を増加することが可能であり,数分の間に動脈血ガスが正常化してしまう。一方,睡眠中には肺胞低換気はさらに著明となり,周期性の無呼吸を生じ,また睡眠中に死亡する可能性もあるとされている。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.