胃と腸ノート
Gastric Diaphragm
竹本 忠良
1
,
高瀬 靖広
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.210
発行日 1974年2月25日
Published Date 1974/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403111751
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Gastric diaphragm1)という言葉をきいた人はずいぶん多いと思う.duodenal diaphragm2)というのもある.Bockusにはprepyloric septum,Demlingらの内視鏡の本3)にはAntrummembranとあるし,またCongenital antral membrane4)という論文も2,3知っている.
Gastric diaphragmとは要するに胃の幽門洞に“膜”が存在するという先天性の奇形である.その膜は粘膜下層とそれを両側からおおっている粘膜とからなっている.時には粘膜筋板もふくまれている.それが存在する部位は幽門輪のこともあるが,しばしばprepylorusにあって,pylorusから1.5~7.0cmの部位の範囲にあり,とくに1.5~2.5cmに認められることが多い.prepyloric septumとかantral membraneといった同義語はそれを現わしている.
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