特集 気管支平滑筋の攣縮をめぐって
気管支喘息の呼吸機能障害
佐々木 孝夫
1
1東北大学医学部第1内科
pp.615-620
発行日 1980年6月15日
Published Date 1980/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203581
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可逆性気道狭窄を気管支喘息の臨床的特徴とする考えには異論のないところであろう。気道狭窄の程度は呼吸生理学的手段によって定量的に把握される。気道狭窄以外にも多くの呼吸機能異常が気管支喘息において認められる。しかし,根本をなす気道狭窄が可逆性である。すなわち,変化することを特徴とするため,気管支喘息として一口に呼吸機能障害を表現し難い面を有している。一方,気管支喘息は,短期間に機能状態が変わりうるため,連鎖反応的呼吸機能変化の検索に恰好のモデルとなり,諸呼吸機能のadaptationあるいはdeteriolationの機構解析の手がかりを与える。
本稿では,初めに気管支喘息にみられる呼吸機能変化の一般傾向,次いで連続的に観察した2〜3の事項および筆者が不思議に感ずる喘息発作で増加する肺拡散能力について考察する。
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