Japanese
English
特集 微小循環の臓器特異性
腸間膜微小循環
Microcirculation of the mesentery
藤城 保男
1
,
土屋 雅春
2
Yasuo Fujishiro
1
,
Masaharu Tsuchiya
2
1東京電力病院外科
2慶応義塾大学医学部内科
1Tokyo Denryoku Hospital
2Keio Univ.
pp.351-357
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203544
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今回の特集においてわれわれに与えられたテーマは腸間膜微小循環の臓器特異性についてということであるが,多年に亘り,腸間膜微小循環系動態の非特異性と普遍性を強調してきたわれわれは,このテーマに接して,多大の困惑を覚えた。しかし明敏な編集者は,われわれと同じように,すべての臓器の微小循環動態の理解のためには,腸間膜で観察された現象の徹底的追究が前提条件になると考えられたに違いないと勝手に解釈して,微小循環概論を書くつもりでこの小文をまとめて見た。微小循環系とは,100μ程度の小動脈から,細動脈,真性毛細血管,細静脈を経て,100〜300μの小静脈に至る循環単位である。この微小循環系は生体の血液循環の一端をになうものとして,心大血管系の血流の影響を受けるのは当然であるが,本質的には,これらの大血管系から独立した循環単位で,独自の循環規制を行なっている。
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