今月の主題 下痢と腸疾患
下痢の病態生理
細菌毒素と腸疾患
朝倉 均
1
,
吉岡 政洋
1
,
浜田 慶城
1
,
土屋 雅春
1
Hitoshi Asakura
1
,
Masahiro Yoshioka
1
,
Yoshiki Hamada
1
,
Masaharu Tsuchiya
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.1376-1379
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219165
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腸管感染症の下痢機序に関する最近の研究の進歩は目ざましく,分子レベルで解明されつつある.細菌の産生する細菌毒素には,菌体外毒素と内毒素endotoxinがあるが,グラム陰性菌内毒素は0.01μg/kg以下で強い発熱,致死,骨髄壊死,白血球減少,補体・凝固系の活性化などの多彩な作用があるが,健康人では腸内細菌の内毒素は吸収されても肝で解毒される.しかし,肝機能障害,腸管機能障害,感染巣の存在は内毒素が血中に出現し,endotoxemiaになり,しばしばショック状態になる.本項では下痢に関する菌体外毒素について解説する.
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