Japanese
English
特集 微小循環の臓器特異性
心臓の微小循環
Microcirculation of the heart
入内島 十郎
1
Juro Iriuchijima
1
1広島大学医学部生理学
1Dept. of Physiology, Hiroshima Univ.
pp.347-350
発行日 1980年4月15日
Published Date 1980/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203543
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心臓の微小循環の特徴は血液を流す器官と流される器官が同一であることである。冠動脈の3本の本幹相互の間の連絡は普段は僅かであるが,必要に応じて次第に拡張発達する。血圧の変化にもかかわらず血流がほぼ一定に保たれる自己調節現象は冠血行においても顕著に見られる。一般に冠血流は心臓の酸素消費に応じて調節されるが,これには酸素不足の際心筋細胞で作られるアデノシンが重要な役割を果しているようである。冠血管にもα—アドレナリン作動性交感神経収縮線維が分布しているが,交感神経拡張線維は存在しない。迷走神経性の拡張線維の存在は証明されているがその拡張作用は僅かである。微小血管における物質交換には内皮細胞の中に見られる小胞が,特に大きい分子の輸送に関与しているようである。
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