主題 微小循環
微小循環の問題点
高木 健太郎
1
1名古屋大学医学部第一生理学教室
1Department of Physiology, Nagoya University, School of Medicine
pp.106-111
発行日 1966年6月15日
Published Date 1966/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902677
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I.神経支配
終末血管床と神経系との関係については明らかでない部分が多い。真性毛細血管には運動性の神経支配のないことはまちがいがない。組織学的に無髄の細い線維の網目(Boeke's terminal reticulum)で取囲れているのが見られる。これが知覚神経という人もあるが,神経かどうかを疑う人もある**。一般に神経線維は毛細血管を足場にして組織に入りこむ故に,神経と毛細血管の関係はどちらにしろ機能的ではなく状況的である。
methylen blueで生体染色をして強拡大しても終末細動脈と前毛細血管の大多数では筋細胞に神経線維が終つている状態は見られない。しかし薬物学的には2種のadrenergic神経と1種のcholinergic神経とを区別しているが,直接の証拠はない。
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