Japanese
English
解説
改正じん肺法
The revised law on pneumoconiosis in Japan
梅田 博道
1
Hiromichi Umeda
1
1名古屋保健衛生大学医学部内科教室
1Dept. of Int. Med., Fujitagakuen Univ.
pp.939-944
発行日 1979年9月15日
Published Date 1979/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203423
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I.じん肺法の発足から改正まで
昭和30年代のはじめ,労働省の試験研究でじん肺の研究班が組織された。この研究班は2つに分かれ,形態班(X線)は岡治道先生が,機能班(肺機能)は勝木新次先生が班長であった。当時若かった筆者は,両班の下ばたらきをさせていただき,大変よい勉強になったと感謝している。班会議の成果はじん肺法に集約され,昭和35年,まことに画期的な法律が施行された。一つの職業病に対する単独立法であり,しかも医学が,特に肺機能検査が主役を演じた法律である。しかし,当時の班会議は,これで満足することなく,じん肺審議会への医学部会の答申に「医学的事項は医学の進歩とともに変えねばならない」と附記することを忘れなかった。
昭和35年春,18年ぶりにじん肺法が改正され,進歩した知見を幅広く取り入れられたことはまことにうれしい限りである。この18年の間にこの領域での進歩はめざましいものがあり,特に肺の末梢気道に関する知見は大きく発展したからである。
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