巻頭言
CCUで考えている粥腫崩壊論
関口 守衛
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
pp.463
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203357
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毎日CCUに入ってくる患者の診療にたずさわりながら,私共がここ数年研究している冠状動脈の病理組織像と臨床像の協関に思いをめぐらせている。その内容はどんなものなのかを紹介してみると,賛同される方,反論をお持ちの方がおられると思う。いまだすべての考えを立証できたわけではないが,患者が述べる発症の様相や心電図を見聞きしながら,およそ次のように考えている。
急性心筋梗塞の発症には冠状動脈硬化性病変の中にある粥腫が内腔に向って破裂することが引き金となる。この破裂の原因は不明であるが,一つの可能性として粥腫の一番高度なところはちょうどフルンケルの化膿巣がほんのわずかな刺激で破れるのと同じ現象ではないかと考えている。この状況を図示してみる。
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