巻頭言
ランディス先生のこと
平川 千里
1
1岐阜大学第2内科
pp.1043
発行日 1978年11月15日
Published Date 1978/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203266
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1957年から1年間米国ハーバード大学医学部の生理学教室で主任教授Eugene M. Landis先生の謦咳に接することができた。Landis先生は毛細血管壁を介する体液の平衡と移動に関するスターリング法則を実験動物とヒトの毛細血管について直接証明した唯一の研究者として有名な方である。先生は正確な考えをされる方であつた。その先生との接触のたびに,正確な思考というものの実例を私は見聞した。枚挙のいとまもない程多くの機会に,先生は正確な考え方というものを私に示された。
私はLandis先生のもとを辞して,もとの京都大学内科学教室(前川孫二郎教授)に帰り,内科学の学位論文らしきものを書き上げてから,思うところあって京都府立医科大学生理学教室(吉村寿人教授)に身を置いて医科生理学の勉強をはじめた。
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