名著案内
—Rushmer, R. F. —Cardiovascular dynamics(Fourth Edition)
中村 芳郎
1
1慶応義塾大学・内科
pp.670
発行日 1978年7月15日
Published Date 1978/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203223
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循環器病学を始めるにあたって読むべき本としてあげるには,RushmerのCardiovascular dynamicsは学生向き教科書といわれてしまう性格が強すぎるかもしれない。たしかに,若い心臓病学を志す医師に本書をすすめると,記述が常識のレベルを出ないという感想が返ってくることが多い。しかし,1976年に第4版が出されていることからもわかるように,本書に対する需要がある程度以上続いているには違いない。また,個人的には,何度読んでも感心させられる名著と信じている。
Cardiac diagnosisの基礎となる生理学は,electrophysiologyを除けばCardiac cycleのWlggers diagramだけで充分なのかもしれない。ただし,それだけの知識では心疾患の現況分析しかできない。心疾患患者が日常生活をしてゆくのに,運動に対する反応の理解は重要である。本書の特徴は,体位,運動に対する心血管の反応が,polygraphic recordingを用いた無麻酔犬の著者の先駆者的成績を含めて,述べられているところにある。
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