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クモ膜下出血後に脳室拡大の発生をみることは,1928年Bagleyら2)が初めて報告して以来,実験的および臨床的に多くの報告がなされてきた.このような脳室拡大を有する症例中には,歩行障害,精神障害および尿失禁などの特異的臨床症状有し,髄液圧は180mmH2O以下の正常範囲にあるにもかかわらず,髄液誘導術により症状の改善がえられるものがあり,これをHakim & Adamsら7)は1965年に初めてnormal pressure hydro-cephalus(以下NPHと略す)とよんでいる.本症の補助診断法として,近年もっぱらRI-cisternographyが試みられているが,最近になってRI-cisternographyの所見のみからでは,髄液誘導術の効果が必ずしも予測できない場合もあることが指摘されるようになり,NPHの発症機序,診断基準,手術適応などに関し,再検討が加えられつつある.私どもは,今回,クモ膜下出血後に起こるNPHの発症機序について,臨床例および動物実験により若干の検討を加えたので報告する.
Subarachnoid hemorrhage (SAH) following rupture of aneurysm is one of the significant factors that cause normal pressure hydrocephalus (NPH).
The present study describes the mechanisms of NPH following SAH.
Clinical studies : Twenty-five patients suffuring from ruptured aneurysms were observed. After injection of 0.3-0.5mCi of Yb-169-DTPA (Yb) into the lumbar subarachnoid space, scintiphotos were taken at intervals of 1, 2, 6, 24 and 48 hours.
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