綜説
Collateral Ventilation
高崎 雄司
1
,
山林 一
1
Yuji Takasaki
1
,
Hajime Yamabayashi
1
1東海大学医学部内科
1Dept. of Int. Med., Tokai Univ.
pp.1068-1073
発行日 1977年12月15日
Published Date 1977/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203130
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Van Allen, LindskogおよびRichter19)により,atelectasisの発生機序の研究中偶然に発見されたcollateral ventilationが,その後長い間,肺生理学者間で脚光を浴びる機会がほとんどなかったのは,発生学的に,肺は原始前腸より出現し,種々枝分れして,ついには肺胞となる事実により,肺区域間の融合が存在する筈がないという先入観があったためではないだろうか。しかし1960年代以降,やっとcollateral ventilationの形態学的究明に加え,呼吸生理学の分野の研究が活発に行なわれるようになり,各種動物やヒトのcollateral ventilationの生理学的意義や病態生理についての研究論文が多く見られるようになった。
しかしながらこれらの研究においても,(1) collateral ventilationの局在と大きさ,(2)正常人の肺でのcollateral ventilationのガス交換に占める意義,(3)病的な状態,すなわち慢性閉塞性肺疾患等における気道閉塞の状態でのcollateral ventilationの重要性,などについて明確な答は出されていない。
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