Japanese
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講座
開心術とsubendocardial ischemia
Open Heart Surgery and Subendocardial Ischemia
奥森 雅直
1
Masanao Okumori
1
1都立墨東病院心臓外科
1Metropolitan Bokuto Hospital
pp.393-401
発行日 1977年5月15日
Published Date 1977/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203046
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近年心臓外科の進歩はめざましく,その手術成績は著しく向上した。しかしながら,開心術後,手術は成功したにもかかわらず低心拍出量症候群あるいは突然死の発生はいぜんとして避けられない。さらに手術成績の向上を計るためにはかかる発生を少なくする必要がある。最近の実験的ならびに臨床的研究によると,開心術後の低心拍出量症候群の重要な原因の一つとして開心術中および術後のsubendocardial ischemiaが強調されている1)2)。人工弁置換術後の最も高い死亡原因3)であり,また開心術後低心拍出量症候群で死亡した心臓に高頻度でみられる4,5) subendocardial hemorrhagic necrosisはsubendocardial ischemiaより発展した病変とされる6,7)。開心術中に発生をみたら救命しえないとされるstone heartもなおその原因は明らかでないがsubendocardial ischemiaの極端な病態と考えられている11)。一方,体外循環を施行しない心臓手術で死亡した心臓にもmyocardial ischemiaが高い頻度でみられ,それが重要な死因となると報告されている12)。
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