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講座
"Plexogenic pulmonary arteriopathy"およびその類縁疾患の病理形態像—特に壊死性動脈炎とplexiform lesionについて
Pathological Studies on "Plexogenic Pulmonary Arteriopathy"
秦 順一
1
,
細田 泰弘
2
,
玉井 誠一
2
Jun-ichi Hata
1
,
Yasuhiro Hosoda
2
,
Seiichi Tamai
2
1東海大学医学部病理学教室
2慶応義塾大学医学部病理学教室
1Dept. of Pathology, Tokai Univ.
2Dept. of Pathology, Keio Univ.
pp.117-121
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203010
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原因不明で著しい肺高血圧症をきたす「原発性肺高血圧症」は比較的稀な疾患であるがWHOの慢性肺性心の報告の中でその原因疾患の一つとして取り上げられている。さらに1973年には同じくWHOにおいて本疾患に対する系統的な討論が行なわれた。一方,本邦においても「原発性肺高血圧症」が厚生省の指定する特定疾患に加えられ,その病因,治療への検討が集中的になされつつある1)。
本疾患の疾患概念については古くから様々の説が提示されているが,その病因論ともからんでいまだに統一した見解が得られていないように思われる2,3)。WHOの討論では肺高血圧をおこす疾患のうち,肺血管以外に特徴的な病変がみられず,病因の明らかでないものを「原発性肺高血圧症」とし形態学的立場から以下の3つに分類した。1. Plexogenic pulmonary arteriopathy,2.Recurrent pulmonary thromboembolism, 3. Pulmonary veno-occlusive diseaseであるが本邦ではそのうちplexogenic pulmonary arteriopathyを「原発性肺高血圧症」として取り上げるのがいまのところ一般的見解のようである。
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