Japanese
English
臨床
壊死性血管炎
Necrotizing Angiitis
細田 泰弘
1
Yasuhiro Hosoda
1
1慶応義塾大学医学部病理
1Department of Pathology, School of Medicine, Keio University
pp.297-305
発行日 1967年4月15日
Published Date 1967/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201760
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はじめに
壊死性血管炎necrotizing angiitisとは,Zeekによって,?最盛期においてはフィブリノイド壊死と血管の全層にわたる炎症によって特徴づけられる動脈および静脈の炎症性病変"全体に対して与えられた"便宜的,総括的名称"である96)97)。彼女がこの名称を提出した目的は,結節性動脈周囲炎をめぐる疾患概念の混乱を解決するためであった。Kussmaul-u. Maier48)によって命名された結節性動脈周囲炎は1900年以降,多数の臨床症状が付加されたり,顕微鏡的所見のみを有するものが見出されたり,さらにアレルギー性病変のみならず種々雑多な疾患が,結節性動脈周囲炎に似た局所病変をつくることなどから,疾患の枠づけに混乱をきたすに至ったのである。これに対してZeekは,古典的な結節性動脈周囲炎の用法を回復し,壊死性血管炎という名称によって,類似の疾患群の整理を試みたのである。彼女はそれを5つの疾患群に分けたのであるが(表1),このことが,曖昧な定義とともに,また新しい混乱を引きおこしてしまった。
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