Japanese
English
綜説
剥離性大動脈瘤—いわゆる嚢胞性中膜壊死をめぐって
Dissecting aneurysm with reference to"cystic medial necrosis"
細田 泰弘
1
,
入 久巳
1
Yasuhiro Hosoda
1
,
Hisami Iri
1
1慶応義塾大学医学部病理学教室
1Dept. of Pathology, School of Medicine, Keio University.
pp.373-379
発行日 1966年5月15日
Published Date 1966/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201587
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I.はじめに
剥離性大動脈瘤は多様な臨床像を有し,時に臨床的に診断が困難なことがあるのに反して,病理解剖学的には大動脈壁の解離という印象的な病変を見出すことによって,比較的容易に診断することが可能である。
しかしながら,剥離性大動脈瘤の病因については旧来もっぱら,嚢胞性特発性中膜壊死medionecrosis aor—tae idiopathica cysticaをあげることをもってこと足れりとする傾向があったことは否めない。実際に代表的な病理学教科書の多くは「Erdheimの病変」とされるものを原因とみなし,また特徴的な病理組織学的変化として取扱っている11)24)33)。
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