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講座
単一赤血球の酸素化反応速度
Oxygenation reaction velocity of a single red blood cell
田澤 皓
1
Hiroshi Tazawa
1
1山形大学医学部生理学第1講座
1Deparment of Physiology, Yamagata University School of Medicine
pp.965-973
発行日 1975年11月15日
Published Date 1975/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202827
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赤血球の酸素との反応速度に関する研究はHartridgeとRoughtonによるrapid flow法1)の考案以来,今日まで約半世紀の間,装置・方法に改良が重ねられ,特に1957年以降,数多くの実験データの定示,理論的展開がなされている1)〜17)。赤血球の酸素化反応速度測定には,二種の反応溶液を均一に混合するrapid flow法1)〜10)およびstopped flow法11)〜14)と血液薄膜に直接ガスを接触させる薄膜法15)16)とがあるが,近年我々は顕微鏡を用いたphotorneterを開発し,単一赤血球のガス反応速度を測定できるようになった18)〜20)。顕微鏡観察下で赤血球に反応用ガスを接触させるこの方法によれば,例えばニワトリ胚のガス交換膜である絨毛尿膜毛細血管内の赤血球について,反応速度を容易に求めることができる。flow法で測定したヒト赤血球浮遊液の反応速度に関しては,詳細な解説21)22)と理論の集大成23)がなされているので,赤血球と反応用混合ガスとを直接接触させる顕微分光法によって,ガス交換毛細血管内に存在するin situの赤血球について酸素化反応速度を測定し,赤血球の酸素化速度について概説しながら絨毛尿膜におけるガス交換を反応速度論的に評価してみた。
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