Japanese
English
特集 心臓・大血管の超音波診断
位置継ぎ合せ方式による超音波心臓断層法
Patching up method in ultrasono-cardiotomography
田中 元直
1
Motonao Tanaka
1
1東北大学抗酸菌病研究所
1The Research Institute for Tuberculosis, Leprosy and Cancer, Tohoku Univ.
pp.917-922
発行日 1975年10月15日
Published Date 1975/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202823
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
胸壁上から超音波を投射しつつ,超音波ビームを動かして心臓部を横断(超音波走査)し,その間に得られるエコーの総てをビームの動きと対応させつつブラウン管上に表示すると,ブラウン管上には反射を生ずる組織境界面の分布状態(広がり)と存在距離とを同時に示す二次元的図形が得られる。この図形は超音波走査面で生体を切断したときの音響的断面像となり,実際の断面とよく対応することから,超音波断層図と呼ばれている。種々の心時相で得た心臓断層図の個々の像は時間的に不連続であるが,一心拍動期間中に多数個の像を画かせ,これを拍動経過の順に配列して観察すると,心血管動態が二次元面上で観察でき,UCGとは異なった動態の変化,即ち拍動中に生ずる心臓各部分の相対的位置,形の変化がよく観察できる。それだけでなく像の分解能がよく断面位置の設定が良好であれば解剖学的構造の詳細な判定,形態学的dimensionの計測,組織性状の判定等UCGでは不可能な情報の獲得が容易かつ精度よく行える点大きな特徴であり,その非観血的手段として重要な方法となっている。
しかし,心臓断層法では絶えず動いているものの静止像が必要であること,超音波走査が必要であること,分解能のよい像が必要であることの3つの避けられない要求が存在する。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.