特集 循環機能の正常値
心臓・大血管の超音波法による計測値
石川 恭三
1
,
平田 俊吉
1
1杏林大学第二内科
pp.673-675
発行日 1982年7月15日
Published Date 1982/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204026
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心臓超音波検査法が,Edlerら1)により確立されて以来,25年余を経過した。その間,本検査法は,実に飛躍的な進歩をとげ,各種心臓疾患の診断のみならず,心機能を評価する上には,きわめて有用であることが実証されてきた。
Mモード心エコー図からは,心臓の弁の動き,心室壁の壁厚および動き,心臓および大血管の内腔の大きさなどを計測することができる。Mモード心エコー図のみによる計測は,超音波ビームの位置設定や局所壁運動異常を検出する上で,若干信頼性に欠ける点があるが,最近では,超音波断層法を併用することによって,超音波ビーム設定位置の確認やMモード法では検出できない局所壁運動異常を検出することが可能になってきている。しかし,微細な運動の時間的な変化を観察する点では,現状では超音波断層法よりもMモード法の方が優れており一般的な各種計測はMモード法に委ねられている。本稿では,Mモード心エコー図による一般的な計測法と代表的な成人正常値について述べることにする。
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