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特集 心臓・大血管の超音波診断
超音波法による心疾患診断の進歩—特にUCGについて
Ultrasoundcardiographic diagnosis of heart disease
町井 潔
1
Kiyoshi Machii
1
1三井記念病院循環器センター
1Center for Cardiovascular Disease, Mitsui Memorial Hospital
pp.855-867
発行日 1975年10月15日
Published Date 1975/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202817
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I.歴史
第二次大戦中の潜水艦発見のための音響探知機(sonar)技術の発展は,戦後の金属の非破壊検査技術と結付いて超音波による生体の非破壊検査を可能にした。これを初めて心臓に応用したのはSwedenのHertz, Edler1)(1954)らで,翌年Edlerは臨床的な業績2)を発表し,これにultrasoundcardiogramと命名した。Edlerは前胸壁より5〜7cmの深さに2〜3cmの振幅でよく動く特徴的なパターンを示すエコーに注目した。最初,彼はこのエコーを左房前壁と考えたが,間もなくそれが僧帽弁前尖であることに気附いた。しかもこの前尖エコーが僧帽弁狭窄症で,特徴的なプラトー波型に変化,交連切開術によって変化することを認め,UCGが本症の診断,手術適応,その効果判定に有効であることを証明した。彼の初期の研究をみると,肺動脈弁,大動脈弁,大動脈,心房中隔,三尖弁,心室中隔,左室後壁等も記録されているが(図1),これらのエコーが同定されるまでには更に10年以上の歳月が必要であった。
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