Japanese
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特集 右心と左心
左心不全における右室機能障害の成り立ち
Impaired right ventricular function in left-sided heart failure; a consideration of its mechanism
平川 千里
1
,
荒川 迪生
1
,
伊藤 朝子
1
,
今村 則江
1
Senri Hirakawa
1
,
Michio Arakawa
1
,
Asako Ito
1
,
Norie Imamura
1
1岐阜大学医学部第2内科
12nd Dept. of Int. Med., School of Med., Gifu Univ.
pp.296-300
発行日 1975年4月15日
Published Date 1975/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202743
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典型的な右心不全の最も多い原因は左心不全であり,この場合右心不全は肺動脈圧上昇によるものが多い,というのが教科書的な見解である1)けれども,肺動脈圧上昇以外にも左心不全において右室機能障害をきたす因子は色々あると考えられる。問題はそれら諸因子の相対的重要性を適正に評価することにあるけれども,筆者らの試みた運動負荷からの多少の考察(後述)から間接的に推定すると,やはり肺動脈圧の上昇が大多数の場合において原因となるようである。そして残る少数の者についての説明を何に求めたらよいかが問題のように思われる。最初に左心不全における右室機能障害の原因と思われるものを筆者なりに表1にまとめてみた。その根拠などについて以下少しく説明する。なお右室の作業状熊一般については他に優れた総説15)がある。
先ず肺動脈圧の上昇が(左心不全に伴なう)右心不全の最も重要な原因であるとする見解は教科書的1)である。
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