Japanese
English
講座
大血管転位
Transposition of the Great Arteries
川島 康生
1
,
中埜 粛
1
Yasunaru Kawashima
1
,
Susumu Nakano
1
1大阪大学医学部第1外科
11st. Dept. of Surgery, Osaka Univ.
pp.751-760
発行日 1974年10月15日
Published Date 1974/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202674
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1797年にBaillie1)が初めて右室から大動脈,左室から肺動脈の出る奇形を報告して以来,この疾患即ち大血管転位症(TGA)はもっぱら病理学者の間で形態学的な興味をもって観察されて来た。今世紀に入ってFanconi2)やTaussig3)がその所見を報告し,臨床的な興味がもたれる様になったが,これが心疾患の中で重要な死亡原因の1つである事が認識されるに至ったのは今世紀後半に入ってからの事である。
そして1950年にBlalockおよびHanlon4)が本症の外科的治療方法として,心房中隔欠損を作製する事を示唆し,治療の道がひらけるに至った。その後1966年にはRashkind及びMiller5)がカテーテルによって心房中隔欠損を作製する方法を開発し,以来この方法がもっぱら小児科医の手によって行われている。
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