小児心臓麻酔事始め 第12回
大血管転位を理解したい!
泉 薫
1
Kaoru IZUMI
1
1福岡市立こども病院 麻酔科
pp.1062-1066
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202703
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
◆◆◆◆キーポイント
●大血管転位症は右室から大動脈,左室から肺動脈が起始する先天性心疾患で,心房と心室の位置関係の違いから完全大血管転位症uncorrected transposition of the great arteries(TGA)と修正大血管転位症corrected TGA(c-TGA)に分類される(メモ1)。
●TGAはチアノーゼ性心疾患で,血行動態は左右短絡や左室流出路狭窄left ventricular outflow tract obstruction(LVOTO)の程度により多彩である。
●c-TGAは合併心疾患がなければ正常の血行動態となるが,多くは心室中隔欠損症ventricular septal defect(VSD)やLVOTO,三尖弁逆流症tricuspid regurgitation(TR)などによる症状を呈する。
●人工心肺cardiopulmonary bypass(CPB)開始までの循環管理では肺血流を適切に保つことが重要である。
●CPB離脱後は体循環を担う心室(体心室)に関連する弁の異常や血流転換部位の狭窄の有無を観察し,体心室機能不全に適切に対応することが重要である。
Copyright © 2023, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.