呼と循ゼミナール
左房粘液腫の血行動態
谷口 興一
1
1東京医科歯科大学第2内科
pp.652
発行日 1974年9月15日
Published Date 1974/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202662
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左房粘液腫の血行動態の特徴はまちまちで,むしろ特徴はないという方が妥当かも知れない。しかしながら左房内腔に血流動態の障害物として存在する腫瘍の特徴を分析すると,腫瘍の大きさ,形状,あるいは可動性の大きさ,ないしは範囲により異なったパターンを呈する。つまり充塞ないしは閉塞像の特徴は腫瘍の大きさ,形状,発生部位および柄の性状が大きく反映し,可動性の特徴は柄の長さと腫瘍の形状が大きな役割を占める。したがって血行動態の検索は左房粘液腫の診断に役に立たない場合も少なくないであろう。左房粘液腫について報告された文献をまとめてみると,次の6項目ないしはそれら各項目の2つ以上の合併像として要約することができよう。
(1)腫瘍による左房内腔の充塞
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