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講座
静脈血流—その測定法と生理
Blood Flowmetry and Pathophysiology of Venous Circulation
堀 原一
1
,
井島 宏
1
Motokazu Hori
1
,
Hiroshi Ijima
1
1東京女子医科大学心臓血圧研究所理論外科
1Department of Surgical Science, Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.489-494
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202637
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Ⅰ.静脈および静脈血流の特殊性
静脈血流は一般に流速が緩徐である。それは全身どこでも,流入する動脈の断面積に比べて流出する静脈の断面積が大きいからである。また静脈は動脈より低圧である。これは血流が抵抗血管である細小動脈を通過したあとであるためと,血液量に比し静脈容量(capacity)が大きいことによる(そのため静脈のことを容量血管という)。
静脈壁は伸展性が大きく,血液容積変化に対する内圧変化はきわめて小さい。これは静脈のcomplianceが大きいことを意味する。一般的にいって,静脈の伸展性は動脈のそれの約200倍である。これは静脈の断面がかりに円形でも,その径が定まり難く,またこのことは静脈が圧平され易いことを示している。
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