今月の主題 新しい不整脈診療
不整脈誘発源となる特殊な背景
抗不整脈剤
内藤 政人
1,2
1国立東京第二病院・循環器科・生理科
2慶応義塾大学医学部・内科
pp.52-53
発行日 1989年1月10日
Published Date 1989/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222273
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抗不整脈剤使用中に既存の不整脈が悪化したり,新たな不整脈が出現してくることを,抗不整脈剤の催不整脈作用(proarrhythmia)とか,不整脈発源作用(arr-hythmogenesis)と呼ぶ(表1).しかし,たとえば心室性期外収縮などはその数が日によってかなり変動するので,抗不整脈剤投与後にその数が増えたとしても,それは単なる自然変動であるかもしれない.また,抗不整脈剤投与後に新たに心室頻拍が出現してきた場合,それは基礎心疾患が進行したためかもしれない.抗不整脈剤という言葉からして不整脈を抑制する薬剤を連想しがちであるが,頭の中では"電気生理学的作用を有する薬剤"と理解しておいたほうがよい.
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