Japanese
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特集 不整脈
運動負荷と不整脈
Exercise Test and Arrhythmia
戸嶋 裕徳
1
Hironori Toshima
1
1久留米大学医学部木村内科
13rd Dept. of Int. Med., Kurume Univ. School of Med.
pp.299-305
発行日 1974年4月15日
Published Date 1974/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202614
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不整脈は臨床的に遭遇する循環器系異常のなかで最も頻度の高いものの一つである。しかし,一口に不整脈といっても周知のごとくその種類は多岐にわたり,その性質もまったく無害性のものから,直ちに処置を要するような致命的なものまである。散発性の期外収縮とか,不完全房室ブロック,ペースメーカー移動など特に治療の必要はないと思われる不整脈も少なくないが,この場合でもマラソンや山登りをやってよろしいか,どの程度の運動は良いかなどの質問に答えたり,実際の生活指導を自信をもって行なうためには,安静時にみられた不整脈が通動負荷によってどのように変化するか,またその前に負荷試験そのものをやってよいかどうかを確める必要がある。
一方,安静時には何等の所見はなくとも負荷後に不整脈が出現することも少なくない。従来運動負荷試験は狭心症の診断ないしは虚血性変化の程度を知る目的で行なわれ,負荷試験の判定基準も主にST・T変化におかれているが,負荷後出現する不整脈に対する判断も臨床的にきわめて重要である。
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