Japanese
English
Bedside Teaching
心サルコイドージス—とくにFatal myocardial sarcoidosis(FMS)を中心にして
Sarcoidosis of the Heart
萩原 忠文
1
,
東海 俊英
1
,
林 裕人
1
,
有山 雄基
1
,
竹田 洋
2
,
原田 稔
2
Tadafumi Hagihara
1
,
Toshihide Tohkai
1
,
Hiroto Hayashi
1
,
Katsumoto Ariyama
1
,
Hiroshi Takeda
2
,
Minoru Harada
2
1日本大学第1内科教室
2日本大学第2内科教室
11st Dept. of Int. Med., Nihon Univ. School of Med.
22nd. Dept of Int. Med., Nihon Univ. School of Med.
pp.1153-1159
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202569
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Sarcoidosis(以下「サ」症)は全身性の慢性類上皮細胞性肉芽腫であるが,1875年Hutchinsonによってはじめて皮膚病変として記載されて以来,多くの症例が報告され,その歴史も短かくないが,原因についてはなお明らかではない。「サ」症は肺,肺門リンパ節その他を侵すが,多くは自然にあるいは副腎皮質ホルモン剤などの投与で軽快する。一方,死に至る経過をとる症例もあり,最近,厚生省は「サ」症を難病の一つに指定し,わが国でも重要な疾患として対策が講じられることになった。
「サ」症で死亡する場合は2つの異なった経過がある。第1は広範な肺「サ」症による肺線維症に由来する肺性心死である。第2は非常にまれであるが,心を侵して急速な経過で死亡しfatal myocardial sarcoidosis(以下FMS)とよばれている。FMSの生前の臨床診断は多くの場合困難であるが,原因不明の心肥大や多彩な不整脈を呈する症例では,FMSも一応念頭におく必要がある。われわれも生前診断がつかず,剖検ではじめてFMSと確認しえた2症例を経験しているので,これらを呈示して今後の参考に供したい。
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