Japanese
English
ジュニアコース
エコーグラム(2)
A Primar to Echogram(2)
仁村 泰治
1
Yasuharu Nimura
1
1大阪大学医学部第1内科
11st Dept. of Med., Med. School Osaka Univ.
pp.1137-1144
発行日 1973年12月15日
Published Date 1973/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202566
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Ⅴ.UCG記録,計測上の二,三の注意
UCGで曲線の傾斜は対象の速さを示す。もちろんさきに述べたように心拍とともに被照射点が多少ずれるというような可能性などもあるが,いずれにせよ心臓内部についての重要な情報である。市販の装置はいずれも距離,時間ともにカリブレーションされているのでそれから速さを容易に算出できる。その中でもUCGの初期から重要視されてきたのは僧帽弁前尖がその量大開口から後退する部分(diastolic descent)の速さで,殊に健常者と僧帽弁狭窄との区別に最も重要なパラメーターとなった2)。この下行脚も実際は直線ではなく多少の彎曲を示すが,概ね頂点付近の切線が用いられている(図12(1)(2))。下行脚が中途で鋭い屈折点を示す場合(図12(3) e),その屈折点以下で測定すると(図12(4) e-f),測定値は大きくなり狭窄との区別にはその方がより明確に示されるので,筆者らも以前にはそれによる測定値を発表しているし,Zacky45)らもそこを測定している。しかしデータの比較のためにはやはり前の部分(図12(3),e-é)を測定した方がよいかもしれない。またその後の経験ではこのようなe-éパターンはむしろビームの方向に基づく所見であり,僧帽弁前尖UCGとしてはむしろ好ましくない記録であるから,ビーム方向を適当に変えてかかる屈折を示さない曲線を採用した方がよいと思われる。
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