術後のPhysiotherapy—Lung physiotherapyについて

Lung physiotherapy.

　Lung physiotherapyは吾国に於ては胸部外科医も麻酔医も全く等閑視していた部門である。

　私は過去1年間デンマークに留学中，どの病院を訪問しても，相当大きな分科としてphysioth—erapic sectionが存在し，physiotherapistは勿論，胸部外科医も「Lung Physiotherapyなくして胸部外科がどのようにして実施されるかが，理解できない。」とまでいつた程である。私は未だ本格的にこれを実施する段階に迄到つておらず，また結核研究所や療養所の各位も，肺機能訓練療法として既に着々として成果をあげておられることを仄聞しているが，一応私の見聞した事を中心に麻酔医としての方面からもLung Physiotherapyを眺めてみたいと思うのである。なお題目は術後のphysiotherapyとはいえ，本来の性質上，術前後に亘るものであることを予めおことわりしたい。