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はじめに
われわれが日常遭遇する呼吸疾患の大部分のものは,閉塞性疾患であるといわれるが,閉塞性疾患の診断,重症度判定,治療効果の判定のためには閉塞の有無と程度を量的に把握する必要がある。臨床的に広く用いられているspirographyによる努力性呼出曲線の分析(FEV1.0,%FEV1.0, MEFR, MIFR, MMFの測定)は理論的にも種々の問題点があり,感度も十分でなく1)2)3),測定値の解釈には注意を要する。閉塞性の量的把握のためには,気流抵抗の直接的測定の必要性が強調されている。
気流抵抗の直接的測定法のうち,body plethysmo—graphyによる気道抵抗測定法,食道内balloon法による肺抵抗測定法は優れた検査法であるが,研究室用の色彩が強く,臨床的に広く用いうる一般的なものではない。
oscillation法4)5)による呼吸抵抗測定法6)7)8)は装置および測定操作が簡易なこと,鋭敏性,正確性,患者への負担が皆無である点で臨床的に最も優れた測定法だといえる。
比較的早いoscillatory frequencyでの測定のため,frequency dependent resistance8)9)10)が問題点と考えられているが,3〜5cpsのoscillatory frequencyで測定された呼吸抵抗はbody plethysmography,あるいは食道内balloon法による気流抵抗値に代用できるものであることが証明されており8),今後臨床上広く採用されるべき検査法である。
以下,oscillation法による呼吸抵抗測定法の原理,方法,問題点について考察をすすめてみたい。
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