Japanese
English
Bedside Teaching
膠原病の肺発症
Pulmonary Manifestations in Connective Tissue Diseases
中山 昇二
1
,
本間 光夫
1
Shyoji Nakayama
1
,
Mitsuo Homma
1
1慶応大学医学部内科学教室
1Department of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.1069-1075
発行日 1969年12月15日
Published Date 1969/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202099
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はじめに
Klempererが提唱した膠原病とは,「全身の結合織基質のフィブリノイド変性を主病変とする急性ないし慢性の系統的疾患」という概念である。彼は全身性エリテマトーデスの研究から,この疾患が皮膚,心,腎,その他多臓器を侵す疾患でありながら,その病変の特徴は各臓器の構成成分である血管結合織の病変に他ならないことに注目した。これは従来のOrgan Krankheitの考えから大きく飛躍したもので,生体内の病変発生の場として結合織を考えたわけである。
この概念の対象となる疾患は,全身性エリテマトーデス,進行性全身性硬化症(強皮症),多発性動脈炎(結節性動脈周囲炎),皮膚筋炎,リウマチ熱,慢性関節リウマチの6疾患である。これらは,いずれも全身の結合織が侵されるが,肺も結合織の豊富な臓器であるので,これら疾患の経過中肺に病変をきたすことが当然考えられる。
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