ここまで進んだ! びまん性肺疾患の診断と治療 さまざまなびまん性肺疾患の診断・治療
膠原病肺
須田 隆文
1
1浜松医科大学 内科学第二講座
キーワード:
結合組織疾患
,
細気管支炎
,
肺疾患
,
肺炎-間質性
,
肺出血
Keyword:
Bronchiolitis
,
Connective Tissue Diseases
,
Lung Diseases
,
Lung Diseases, Interstitial
pp.249-253
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016110043
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膠原病固有の肺病変は多彩であり,間質性肺炎,細気管支・気道病変,胸膜病変,血管病変などがある.膠原病肺の診断にあたっては,注意深い問診や診察によって膠原病を疑う臨床所見を見落とさないことが大切である.間質性肺炎の組織パターンではnonspecific interstitial pneumonia(NSIP)がもっとも多い.予後はdiffuse alveolar damage(DAD)がもっとも不良であるが,usual interstitial pneumonia(UIP)とnonspecific interstitial pneumonia(NSIP)は,RA以外の膠原病では同等である.細気管支・気道病変には,気管支拡張症や,細胞性細気管支炎(cellular bronchiolitis:CB),濾胞性細気管支炎(follicular bronchiolitis:FB),閉塞性細気管支炎(bronchiolitis obliterans:BO)などがあり,関節リウマチやSjogren症候群に多い.膠原病の診断基準を満たさない患者においても,「肺病変先行型の膠原病」や,「膠原病的背景をもつ間質性肺炎」などを念頭に置いて注意深く経過観察することが必要である.
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